十勝海岸に広がるトーチカ群。太平洋戦争末期、日本軍は連合軍が北海道上陸に備え多くの海岸防御陣地を作りました、北海道東部は千島列島を南下し釧路、根室方面に上陸、そして直接十勝平野へ上陸と2つのルートを予想し、防御陣地を作りました。十勝には帯広には陸軍帯広第一飛行場があり、現在でも帯広駐屯地があります。
広尾町から釧路にかけて、多くのトーチカが作られ、その背後に野砲の防御陣地が構築されました。現在でも十勝の海岸線には大きなコンクリートの塊がいくつも見られます。そのほとんどは、浸食され、作られた場所にはありませんが当時の面影を追ってみたいと思います。
道東の海岸線は広いので、何回かに分けて訪れたいと思います。今回は広尾町から大樹町までの海岸線を訪れました。
広尾町のトーチカ
広尾町は立岩から楽古川、野塚、エキサイツまであります。かなりの広範囲に広がってます。帯広に陸軍の飛行場がありますので、重要地点だったのでしょう(画像はクリックで大きくなります。)
立岩
十勝港にある、岩をくりぬいて作ったトーチカ。ぱっと見じゃわからないですね。
入り口はコンクリートで固められあみで覆われているため、これがトーチカなどだれが想像するでしょうか。
厳島神社
立岩のすぐ後方にある、やや小さな岩に祀られてます。十勝港として整備される以前は、2つの岩は「二見岩」と呼ばれて、海に囲まれてました。港には安全祈願のため神社が祀られております。海中にあった市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)を祀ったとか。海の守り神としては弁天様でしょうか。
楽古川トーチカ
広尾シーサイドパークのキャンプ場の中にありますが、シーサイドパークは閉鎖され、解体工事が始まっており、中には入れません。以前は予約も取れないほど、混雑しており、この辺りはキャンプ場も少ないので、残念です。
楽古川の山側には砲陣地がありました。
実際に訪れてませんので、位置は推測です。
野塚防風林トーチカ
元広尾シーサイドパークからやや東の野塚の海岸にいくつかトーチカ群があります。その防風林の中に隠されるようにトーチカがあります。
分かりやすく、道が整備され見学できるようになってます。
裏側に入口があり中の様子を見ることができますが、入れません。何とか金網の隙間から撮ることができました。
海岸線へ
急な崖になっており、降りるのは危険です。今回は装備を用意してませんのでここまでです。(いつも持ち歩いている、10mのロープはありますが。)見渡す限り、トーチカは見当たりません。
十勝港寄りに移動すると1つ見つけました。これは防風林の近くの野塚海岸トーチカです。
今回は行ってませんが、シーサイド大橋から野塚川の河口を探査すると3つの野塚川河口トーチカは砂浜にあると推測されます。地図を見ると行くのはお勧めしません。
エキサイツ南トーチカ
こちらは2つのトーチカがあります。
少し変わった形です。
2つに分かれてますが、小さな方は大きな方と小さな窓でつながっていたようですが。真っ二
つ。
銃眼と内部の様子。
広尾海軍不時着陸場
広尾町の紋別にある飛行場。2本の滑走路があったそうです。その海岸線沿いにはそれを守るように、トーチカが複数作られてます。
飛行場後は柵で覆われており、敷地は牧場のようです。小さなコンクリートの小屋が残されてました。
1960年代の航空図です。右側の2等辺三角形の形がわかります。
エキサイツ北トーチカ
海岸線に出るとすぐに目につくトーチカ。かろうじて元の場所にありますが、荒天時ここまで波が来るとは、自然の恐ろしさが感じられます。
上部から、落ちたトーチカ。まだ斜面に斜めになってます。
北へさらにに歩くと、上部が波で削れています。中には入れません。
エキサイツの最も北にあるトーチカ。小紋別のトーチカは歩くと遠いので戻ります。
最初のトーチカから南へ向かいます。
最後のトーチカは砂で埋もれてます。興味のない人はこれがトーチカだとはわからないでしょう。航空図で見ると、河口沿いにもう一つあるようです。
おおよその位置図
おおよその推測した位置なので、正確性はありません。そのあと旭浜のトーチカも訪れたので続きます。
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