ワインディンタワーと呼ばれた羽幌立坑を登る その②

 羽幌の炭鉱で現存する最も大きく高い建物、立坑。周りの部分はほとんど倒壊し内部探査はできませんが、、その中心となる立坑はまだまだ健全と見える。だけかもしれない。

 前回より半年、階段の崩壊が激しく、3階で何か気乗りしなかったので引き返したのだが、後から写真を見返すと、まだいけるのではないかと、再度訪問。(画像はクリックで大きくなります。)

階段

立坑に入ると、まず目につくガイド櫓。

その横に、2階までのアプローチは錆びた階段があります。途中まで登ってみた。これでいけるなら問題はありません。

 一歩踏み入れた途端、何やらきしむ音が、、、。2つ目の踊り場からの崩壊が激しく、板は外れてます。特にこの階段、1段上がる度に横揺れが起き、安全は保障されません。

ガイド櫓

  ガイド櫓を登ることになりますが、右の矢印を登るわけですが、問題は黒まるのところ、ランヤードをしっかりと止めるところはありません。

 ま、こんな感じで、引っ掛けながら登っていくのですが、安全基準を満たしたものは相当値が張りますので、ないよりかはましな程度のものですので、落下したときはその強度は保障できません。通常の登山と同じく、必ず3点法を使い、不安定にならないように登っていく。

 だが、黒丸のところだけは、腕の力と足を上げて登らなければならず、最も危惧したところです。ランヤードが上まで届かなくて苦労しました。

 1度目は黒丸のところで、ランヤードのロープがどうなっているかわからなくなり、このままでは落ちると思い、降りました。なにせ、バックパックは別にロープで釣り上げる形で、一緒に釣り上げてますので3つの留め具を操作しなければならないので、混乱してしまった。

 一度、だめだと思ったら、上へはいけません。あきらめようかと思いましたが、気づいたら、また登っていました。

ロープウインチがあります。2階、3階は前回も来てますし、これ、というものがないので上を目指します。

4階へ

この階段も、2つ目の踊り場からの板が外れてます。歩くたびに何かが落ちていきます。途中で止まって、写真を撮る余裕はありません。

3.5mのガイドシープ。

巻き上げ機の制御盤が並びます。

5階へ

巻き上げ室へ到達、最上階です。感動のあまり、ピンぼけです。これ1枚しかとってなかったので大きくなりません(申し訳)。

ケーペプーリといわれるもの、ブレーキがついてます。

下に降りて見上げてます。圧巻です(クリック大きくしてください)。

ブレーキ用シリンダーです。

巻上機を操作する操作盤室

深度計というやつ。

コンプレッサーで見かけるエアタンク。それの巨大バージョン。非常用ブレーキの空気をためておくもの。

巨大な制御盤。速度や深度で適切な動力で動かすように制御されているという。

上を見ると小さな部屋があり、巨大なクレーンが見えます。

 

走行軌道も巨大。何を釣り上げていたかは不明ですが。

上の小さな部屋はエレベータの巻上制御室でした。

小部屋の前から5階フロアを見渡します。

屋上へ

屋上へ到達。電光時計の架台があります。

眼下に選炭工場や精炭ポケットが望めます。ここまで到達したものが見ることができる光景です。

下界へそして考察

 そして、冷たく、寂しい下界へ戻ります。2度と登ることがないと思っていた、立坑。屋上からの景色を見ることができましたが、腐食した階段。数年前から落ちるといわれてますが、何とか登ることができました。

 スケキョさんの「北の細道」で1つ1つ丁寧に解説されてますので興味がある方はどうぞ。

 階段が健全だったころは、頻繁に訪れる人がいたようですが、現時点では、落ちなかったのはたまたま運が良かっただけ。次に来たら落ちるかもしれない。現に、5階部分は、一度落ちて、木で支えられているだけです。

 穴が開いていたら、よければいい。道が崩壊していたら、避けて通ればいい。がけ崩れがあった場所は、地盤が緩んでないか確かめることができる。すべて、目視で確認できる。しかし、この階段、目視で危険だとわかっていても、登らなければ、上へはいけない。そこが、最も危険なことである。

 2階への階段は足を乗せるだけで、大きく揺れ、床は抜け、階段は傾いてます。それを避けるため、櫓を登りましたが、それは、十分な下準備をしたので登れましたが、まずは、やらない方がいいでしょう。準備した装備はこちらです。

階段が使えなくなった時の別手段

5階のエレベータ、入り口がなく、エレベーター室は下にあるようです。30mロープを下ろしておけば、最悪の場合、降りることができるかもしれません。(もちろん、十分な装備と経験が必要です。)

 2階のエレベータもドアが開いており、ここで出ることができるようですが、先客がいるという、落ちがありました。自分が立坑に来たため、あわててここに入り込んだのでしょう。ロープの束をクッション代わりにしたねぐらかも。でも、このロープがあるということは、ここを降りた人がいる? もちろんこのナイロンのロープは滑って下降には使えません。

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